異物検査
異物検査は異物が混入・発生した際にその異物が何であるかを調べたり、発生原因や対照試料との比較をおこなう試験ですが、指定成分を分析する一般的な項目とは違い、異物の発生状況や試験目的に合わせて適切な分析方法を選択する必要があります。
また異物は微小かつ取扱いが難しい場合が多く、その対応には知識、経験、周辺情報、技術力を必要とします。
分析例
- 製品上に発生した異物の性状調査
- 製品に発生した不具合原因の調査(変色、ふくれ、めっき・塗装不良等)
- 製品・食品より発生した揮発物(ガス)成分の調査
- 製品・ロット間の性状比較
- 食品に発生したカビの同定(Aspergillus属等)
- 水道から発生した異物の調査(無機物、配管由来、カビ、藻類等)
- 他 対応事例多数
主な分析方法
蛍光X線分析
異物の主成分が無機化合物(金属等)であると推測された場合に採用する分析方法です。
異物に含まれる元素情報を調べることにより、金属やガラス等の材質を推定することができます。
赤外分光分析(FT-IR)
異物の主成分が有機化合物(一部無機化合物も可)であると推測された場合に採用する分析方法です。
赤外吸収スペクトルは物質固有のパターンを示すことから、構造解析や定性分析に有効です。またライブラリ検索やリファレンス試料測定により、異物の主成分を推定することができます。
微生物試験
顕微鏡観察の段階で異物がカビであると推測された場合は、同定試験をおこないます。異物を培地上に接種したのち約1週間の培養をおこない、生育したカビについてコロニーの性状や特有の器官等を確認、判定し、属の同定をおこないます。
顕微鏡観察
試験開始あたり、まず顕微鏡観察を実施し分析・解析方法を決定します。また顕微鏡で観察することにより有機物、無機物の判別やカビ、藻類、その他の微生物等の推定ができることもあります。
ご依頼いただいたサンプルについて、実体・光学顕微鏡を使用し顕微鏡観察・写真撮影し報告いたします。
その他
電子顕微鏡観察(SEM)、詳細試験(ICP-MS、GC/MS、LC、IC等)、物性試験(強度等の物性比較)、製品破断原因調査等にも対応いたします。