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RoHS指令:表面処理(防錆被膜)中の六価クロム試験(IEC62321-7-1)の評価について

 これまでIEC62321(RoHS分析公定法)の本文中には、カドミウム等の特定有害物質の試験方法は正式に規定されていましたが、表面処理(防錆被膜中)の六価クロム分析については、その試験性質上等の理由から本文中に試験方法は規定されず、Annex(付属書)Bとして収載されていました。
2015年9月、改めてIEC62321-7-1「金属試料の無色および着色防食皮膜中の六価クロムの確認試験」として制定されました。

主なポイント
1)分析結果について
他の特定有害物質と異なり、試料表面積当たりの六価クロム溶出量を測定、含有有無の判定をおこなう。
2)判定基準
六価クロム含有有無判定を以下表1に示す。

表1 六価クロム評価基準

六価クロム濃度
(μg/cm2
 評価基準
<0.10
不含有
0.10-0.13 決定的でない
(追加n=3分析を推奨)
0.13< 含有

 

分析方法
試料表面積を50±5cm2とし、沸騰水50mL中で10分間抽出する。
試料の表面積が50±5cm2に満たない場合には、複数個の試料で合計50cm2としても良い。
試料表面積の確保が難しい場合には、抽出する沸騰水の液量を1cm2当り1mLとして試験しても良いが、その場合少なくとも25cm2以上の表面積を確保することを推奨している。

RoHS指令規制値(閾値)との比較について
RoHS指令に代表される製品中化学物質規制では、ほとんどの場合で均質材料単位での重量比(mg/kg、ppm)で規制を実施しており、RoHS指令等への遵法、及び品質管理において、IEC62321-7-1で報告される試料表面積あたりの六価クロム溶出量(μg/cm2)との考え方を確立する必要がある